飲食店のキャンセルポリシーの作り方・例文|料金表を書く前に決めること

キャンセルポリシーは「前日○%、当日○%」だけでは運用できません。人数が1名減ったときにもかかるのか。定休日に連絡が来たらいつの受け付けになるのか。席のみの予約は何を基準に計算するのか。店内で答えをそろえてから文章にします。

この記事は、店舗が条件を整理するための一般的な説明です。個別の請求の可否や、ひな形の法的な有効性を保証するものではありません。料金や契約条件は、実際の運営に合わせて弁護士などへ確認してください。

最初に決める5項目

項目決める内容
対象席のみ、コース、貸切のどこに適用するか
期限いつから条件が変わるか。日付の数え方・締切時刻
人数変更減員にどう適用するか。増員はいつまで相談できるか
料金何を基準に、誰の分を、いくら請求するか
連絡方法窓口・受付時間・定休日・受信後の確認方法

まずは、自店で扱う予約の種類だけを整理します。貸切を受けていない店に、貸切用の長い規約は必要ありません。

料金を決める前に、仕入れと準備の時点を整理する

店内用のメモとして、コース別に「食材の発注」「取り消せない手配」「仕込み開始」の時点を書きます。貸切なら、その予約のために通常営業の予約を断る時点なども、検討材料として残します。

このメモをそのまま損害額の計算式にするのではありません。予約内容や取り消しの時期によって何が変わるのか、料金設定を相談するための資料にします。

消費者契約法第9条は、同種の契約の解除に伴ってその事業者に生じる平均的な損害を超えるキャンセル料について、超過部分を無効としています。「他店も同じ料率だから大丈夫」「規約に書いたので必ず全額請求できる」とは判断できません。消費者庁・第9条の逐条解説

コース予約向け・記入式の例文

以下は、各条件の妥当性を確認したうえで記入するひな形です。空欄のまま掲載せず、該当しない項目は削除してください。料率の推奨値は設けていません。

コース予約の変更・キャンセルについて

ご予約内容に合わせて食材を準備するため、変更・キャンセルは分かり次第ご連絡をお願いいたします。

対象:[対象コース・プラン]

キャンセル料
・[基準となる日時]まで:[条件]
・[次の期間の開始日時・終了日時]:[対象料金に対する料率、または金額]
・[当日などの期間]:[料率、または金額]
・ご連絡なく来店されなかった場合:[条件]

計算の基準は[税込の料理代金など、含む費用・含まない費用]です。
人数が減る場合は[対象人数と適用条件]で計算します。
人数の追加は[期限・対応可否の確認方法]をご案内します。

連絡先:[電話番号・メール等]
電話受付時間:[時間・定休日]
定休日・受付時間外は[受信できる連絡手段]へお送りください。
メール等での連絡は[受信日時を基準にする等、自店の扱い]とし、[返信目安]までに受付のご連絡をいたします。返信がない場合は[確認先]へお問い合わせください。

店舗都合の休業や災害などの場合の扱い:[確認済みの方針]

期間には空白や重複をつくらないようにします。「3日前まで無料」と「3日前から有料」を並べると、同じ日が両方に入ってしまいます。お客様の予約日が決まったら、該当する具体的な締切日時を案内すると確認しやすくなります。

席のみ・貸切は、コースの文章を流用しない

席のみでは注文内容が決まっていないため、存在しない「コース代金」を計算の基準にはできません。キャンセル料を設定するなら、席のみ予約としての条件と金額の根拠を別に確認します。

貸切では、イベント全体の中止と一部の減員を区別します。貸切の最低利用金額とキャンセル料を設ける場合は、両者をどう扱うかも専門家と確認し、同じ内容を重ねて請求するような曖昧な文面にしないことが大切です。

シチリア屋の団体向け案内では、最終人数の確定や内金、キャンセル時の扱いをまとめて示しています。これは構成の参考にはなりますが、同店の条件がそのまま他店にも適するわけではありません。シチリア屋の団体予約・キャンセル案内

予約前の案内と、店側の記録をそろえる

条件は、お客様が予約を申し込む前に確認できる位置に置きます。電話予約なら必要な条件を説明し、確認できる案内を送る運用も用意します。確定後のメールで初めて料金条件を知らせたり、改定した条件を以前の予約へそのまま当てはめたりしないようにしましょう。

店側には、予約時に提示した条件、説明・確認した日時、キャンセル連絡の受信日時を残します。休業日に届いた連絡を翌営業日に読む場合も、受信時刻と担当者が処理した時刻を分けて記録します。

請求時に算定根拠の説明を求められた場合、その概要を説明するよう努めることも同法に定められています。料金表だけでなく、設定の根拠も店内に残しておきましょう。消費者庁・第9条第2項の解説

掲載前に、具体的な予約で読み合わせる

「定休日の夜に1名減のメールが届いた」「貸切が中止になった」の2例で、担当者同士が同じ答えになるか確認します。解釈が分かれる部分を直してから公開してください。

REASY予約には、予約フォームへキャンセルポリシーを表示する設定があります。表示する機能と、お客様自身がキャンセルする機能、キャンセル料を自動徴収する機能は別です。文面には実際に使える連絡先を記載し、表示後の受付・対応も決めておきましょう。